俺は香織さんを廊下のベンチに座らせ

ただただ香織さんの手を握っていた



それからしばらくすると手術中のランプが消えた



「りおは………?」



「一命はとりとめましたが、脳に障害が残る可能性があります。」



「助かったんですね!?
ありがとう……ありがとうございます!!!」




よかった………



りおちゃん………



助かったんだ………




俺がホッと腕を撫で下ろした時



「それで………脳に障害って………?」



香織さんの不安げな声が聞こえた



「経過を見てみないとわかりませんが、場合によっては上手く話せなかったり、体の一部が動かなかったり――」

「そ………そんな……」




「まだそうと決まったわけでは――」

「そうですよね………命があるだけでも……」



「はい。失礼します。」