「あら~!そう!知り合いだったのね~!」


そう言いながら葉月さんはあたしの元へ来て


「帰る?」


あたしの耳に小さな声で問いかけた。



「はい……」






「何やってんの?早く来いよ。」


直輝は葉月さんの後を追ってあたしの所まで来て、あたしの腕を掴み、急かすように強く引いた。


「直輝…」


あたしの腕から伝わる直輝の体温に
二人で過ごした時間は紛れもなく、現実だったと思い知らされた。



「ほら!早く来いよ!」



「よくわからないけどっ!行くわよ美月!」



「あたし………帰り…ます……」



「来なさい!オーナー命令よ~」



「はい!!」



こんなとこで権力使わないでよ……



でも葉月さんの言うことには逆らえない。