麻奈は慣れた様子で足を組み、その視線は店内の"誰か"を探している。


あたしは何だか落ち着かず、バッグから携帯を取り出した。





「一也でーす。よろしくー!
優夜さんも直さんもすぐ来るからねー!待ってねー!」


「蓮です。」


妙にテンションの高いホストと無表情なホスト


第一印象では正反対の二人


一也と言うホストがあたしの前の席に座ると、あたしは慌てて携帯を閉じた。



そのホストが言うには、優夜くんも夜咲直も、他に指名客がいるからすぐには来れないらしい。



「ほんと可愛いー!直さんとお似合いー!直さんって男から見ても格好いいんだよねー!」



「そうなんだー」



「あれっ?もしかして今日初めて?直さんまーぢかっこいいよー!びっくりするよー!」


一也と言うホストは軽いノリで話をしながら、なんだかんだ話題は夜咲直になり、夜咲直をひたすらおだてる。


きっと夜咲直を指名したからだ。





「あんた何なの!!?
ねぇ!優夜まだ!?」


怒鳴り声に驚き麻奈を見ると、どうやらご立腹の様子



きっと無表情なホストのせいだろう。