「・・・あ・・・の」



 ・・・・。


 今わずかだけど、彼女の声が聞こえた気がした。



 「ん?なんか言った?」




 俺は初めて聞く彼女の声に興味が湧いた。




 「・・・ここにいても・・・いいですか?」




 小さな小さな声で彼女はつぶやく。




 「・・・いいけど・・・何か事情があるんじゃないの?」




 「それに、こんな男の家でいい訳? 俺なにするか分かんねぇし」