悠君が目を覚ました。



涙が止まらない。



「明日香、泣くなよ。」



分かってる。



分かってるけど、涙が止まらないの。



悠君は、車椅子に乗って、こっちに向ってきた。



そして、そっと優しく頬をなでてくれた。



「ごめんな?心配掛けて・・・」



「ううん!嬉しい。嬉しいの!」



「大袈裟だよ」



「ふえ~」



「もし、明日香が居なかったら、目を覚まさなかったよ」



なんで?



なんで、あたしが居なかったら目を覚まさないって。



なんでマイナスなことを考えるの?



「俺、明日香の声ずっと聞こえてたよ?」



「え・・・」