「悠・・・いつ目を覚ますのかしら」



その言葉が胸に刺さった。



なんだか、もう目を覚まさないという感じに聞き取れたから。



「あたしは、信じてます・・・。悠君のこと。絶対悠君は目を覚まします・・・」



なんの根拠もなく、言った。



今は悠君の手を握るだけ。



「お医者様は、1週間は目を覚まさないのを覚悟の上で・・・と」



「分かってます。それはもちろん、覚悟の上です」



あたしは「でも・・・」と続けた。



「1年経っても、目を覚まさなかったら、悠君はどうなるんですか?」



「大丈夫よ。悠は必ず目を覚ます。そういったの、明日香ちゃんよ?」



あたしは、コクンと頷いた。



このまま、悠君の声が聞けぬまま、終ってしまうなんて、と、心のどこかで思ってた。



今にも、目を覚ましそうな悠君。



でも、目を覚ましてくれない。



少しは時間掛かるかもしれない。



「悠君・・・約束守ってよ・・・」