あたしの涙が、あたしの手の甲を伝わって、悠君の手にも落ちた。



「死なないで・・・目を覚まして・・・」



涙を堪える事なんてできっこない。



あたしは、ただただ、涙を流す。



あたしは、イケナイ想像してしまった。



――もし、このまま、目を覚まさなかったら・・・。



――もし、このまま、死んでしまったら・・・・。



――もし、目を覚ましても、記憶喪失になって、あたしのこと忘れてたら・・・。



あたしは、必死で悪い想像をかき消した。



大丈夫。



悠君は目を覚ます。



記憶なんかなくさない。



だけど、安心は出来なかった。



それから1時間経っても、目を覚まさなかった。



いい加減心配になってきた。



――ガラッ――。



悠君のお母さんが入ってきた。



「あら、明日香ちゃん。」



「どうも」



「もしかして、ずっと看病してたの?」



「え、ええ。まぁ」