胸が苦しくなった。



悠君が事故にあったという現実を受け入れる事が出来なかった。



こうして、グッスリ寝ている悠君が目の前にいるのに・・・。



「悠君・・・」



悠君の手をぎゅっと握った。



前みたいに握り返してはくれなかった。



嘘だ・・・嘘だ・・・。



死んだらあたしが許さない・・・。



いくら悠君でも、許さないよ。



その後、時間はゆっくり流れ、悠君の手を握ってから1時間。



悠君は、ピクリとも動かない。



人間って変だよ。



息をしているのに、全く動かない。



「悠君、目を覚まして・・・」



強く願った。



あたしにできる事は、涙を流して悠君が目を覚ますのを待つだけ。