乱暴に家を出たあたし。



帰る場所などない。



これからの予定は分からない。



でも、あんな家に帰るより、野宿のほうがマシ!



「あれ?明日香ちゃん?」



「駿君・・・」



角を曲がった時に、駿君と出合った。



「どうしたの?なんか、涙目じゃない?大丈夫?」



「えっ?そう?」



無理に笑顔を作った。



「明日香ちゃん、今から何処行くの?」



「あ、レミさんのお見舞い。早退したみたいで・・・」



「そ。じゃあ、俺も行くよ」



「ありがと」



あたしは、手を繋いだ。



「何かあったの?」



「うん。なんか、お母さん。あたしに相談無しでお見合いをしろって。実際したんだけど、お母さんに『ふざけんな!!』って、家を出てきちゃった」