――駿君だ。



「こっちにおいで」



そう聞こえた。



「こっちにおいで」



ずっとそういっている。



「明日香ちゃん」



あたしの名前も呼んでいる。



あたしは、走る。



駿君めがけて走る。



途中でつまずいたりもした。



「駿君・・!」



「こっちだよ」



駿君は手を広げて待っててくれている。



2人の距離も縮まっていく。



「駿君!!」



あたしは、駿君の胸に飛び込んだ。



「明日香ちゃん、待ってたよ」