聞こえる音は、

風で擦れあう葉の音のみ。

だが、そこに青々とした樹木は、

唯の一つも無い。

見えるのは当の昔に、

枯れ果てたのであろう、

無残な葉や木々の残骸。

誰をも冷たく突き放す、硬い地面。

そして、底が見えないほど深い、崖。