沙希は、笑顔で迎えてくれた。

「待ってたんだよ」

まるで何もかもお見通しかのように、
微笑んでた。

何も聞かずに、頭を「よしよし」って。

「心配してた？」

「ぜんぜーーーん」
って答えた沙希の目からは、
雫がこぼれてた。

「ごめんなさい。」

｢違うよ。ありがとう。だよ。」

「私を選んでくれて、ありがとう。」