10月1日。
沙希ちゃんの誕生日。

会って、気持ちをしっかり伝えたかったけど
俺には、まだその資格がない。

野島さんにお願いをして、手紙とプレゼントを渡した。


「沙希ちゃん、俺はあきらめたくないのです。
わがままってわかってるけど、もう少し待っていてください。
必ず沙希ちゃんに相応しい男になって、迎えに行きます。
HAPPY BARTHDAY」


◆◆◆

あゆみからの突然の贈り物に固まってしまった。

1人でひらくことが怖くて、
あゆみの前で、手紙を読み、大きなプレゼントのリボンをほどいた。


待ってたつもりはなかった。
忘れよう。忘れよう。そうやって毎日を忙しくして過ごしてた。

なのに、涙がとまらない。


「まだ沙希ちゃんに会う資格ないけど、
こいつを側においてもらえたら、うれしいです。
きっと俺の変わりに沙希ちゃんを癒してくれるはず!!」


中からでてきたのは、大きな犬のぬいぐるみ。

「大島っち・・・バカだね」
って笑ってるあゆみをみて、また涙がとまらない。

ぬいぐるみを抱きしめてみたら、健吾のにおいがした。
・・・あの時つけてた香水だ。。

1回しか会った事ないのに・・・
健吾に会いたくて、会いたくて・・・

「沙希、ここからだよ」

あゆみの言葉。
ここから。

待っていよう。
健吾を信じよう。

◆◆◆