<8.28>

こちらこそ、ありがとう。


真剣に悩んでくれて、ありがとう。
苦しい思いさせてしまって、ごめんなさい。

どこかで早く自分の辛さを取り除くために
大島っちを苦しめてしまってる気がして
私も考えてます。
どうしたら苦しくなくなるんかなぁ?
昨日の話、なかったことに・・・とか
私の存在を消せばいいのかも とか。
いい方法が見つからない(泣)

素直じゃなくって、かわいくないよなぁ。
でも、健吾も同じ性格だから、わかってるんだと思います。


◆◆◆

ホントは健吾に
「彼女と別れて、私を選んで」
って言いたかった。

たった一回会っただけ、電話やメールだけのつながり。
友達。
そう、ただの友達だったはずなのに。


いっぱいいっぱい考えたけど、
このまま友達でいる方法は浮かばなかった。

これ以上、自分の気持ちを抑え続けること
苦しくて、辛くて。

彼女のことを考えてるような手紙を書いて、
実は、自分が解放されたかった。
ホントに勝手だ。


健吾からの電話で目が覚めた。


「もしもし、沙希?起きてた?」

「うん。大丈夫だよ。」

「一つだけ、一つだけきいていいかなぁ?」

「どうぞ」


「もし、もし、もしだけど、
俺が彼女と別れるって言ったら、沙希は俺の何になるのかな?」

「んぅーーーーーー・・・」

「友達のままでいられる。それだけ?」

「今はそういうことにしたい。」

「そっか。わかった。」
「夜遅くにごめんね。おやすみ。」

「おやすみなさい。」


最悪だ。

せっかくチャンスをくれたのに。最悪だ。

◆◆◆