大島健吾 25歳

営業マン。
1年前に大阪から東京に転勤をしてきた。
東京での暮らしにはなかなか慣れない。

付き合って3年の彼女との遠距離恋愛。
社会人になった彼女は忙しくて、電話で話せるのは寝る前の5分。
おはよう、おやすみのメール。

●今日も恵莉奈のことばかり考えてました。先に寝ます。夢の中で会おう!!おやすみなさい。

これだけはかかさない。これがなくなったら…
彼女は俺のことを今でも好きなのだろうか。
いや・・俺自身も、彼女のことを今でも好きなんだろうか。

会えるのは1ヶ月に1.2回。
土日で大阪へ向かう。
彼女からは会いにこない。
仕事で疲れているんだから仕方ない。
そう思うしかなかった。
そう言い聞かせてた。


でも・・・こいつだけには敵わない。

野島あゆみ 25歳

同僚。

「健吾!!そんなんで彼女っていえるの??」
「もっといい女いっぱいいるから!! ほら!!目の前にも!!!!!」
「そんな口の悪い別れちゃえよ」


よくもそんなことを。。。
たしかに、機嫌が悪いときは口が悪い。
だけど、彼女のことは好き。なはず。
別れる理由なんてない。
会えないだけ。話せないだけ。
少し我慢をすればいいだけ。

いつかまた転勤になる。
それまでの我慢。我慢。

そう言い聞かして・・・もう1年。