◆◆◆

なぜだか急に沙希ちゃんの声がききたくなった。

一言「おやすみ」って言いたかった。


沙希相談室、まだ営業してくれるだろうか。。
いや・・・相談じゃないか、ただ話したいだけだ。


うーーーーーーーーーーん。。。


こんなの俺らしくない。
友達なんだから、電話くらいするだろう。
なにをこんなに迷ってるのか・・・おかしい!!!

電話・・・電話・・・。
あぁーーー、なんて話しだそう。。緊張する。


プルルルル・・・プルルルル・・・・


「もしもーーーーーし木川です」

「もしもし・・・・大島です」


「(爆笑)」

「何笑ってるん?」

「だって、急すぎるから・・・
慌ててでちゃったよ。( ̄u ̄;)ハァハァゼェゼェ… ふぅ~苦しい」

「笑いすぎ・・こっちまで笑えてきちゃったよ・・」

「で、沙希相談室に何かご用ですか?」

「う・・・えっと、リハーサルで。」

「(爆笑)ふぅーーーーーー苦しい!!!」


極度の緊張でこの日何話したかは覚えてない。

ただ、大爆笑されて、
俺もずっと笑ってたことだけは覚えてる。

楽しかった。

「またリハーサルしてもいいかなぁ?」

「リハーサルじゃなくて、いつでもどうぞ。」


沙希ちゃんとの電話が楽しすぎて、
この日、遠距離になってはじめて彼女に電話する約束の時間を忘れてた。


●健ちゃん☆
何してますか??
電話がつながりませんよぉ~!!
恵莉奈は、今さっき仕事を終えて帰ってきました。
健ちゃんの声、ききたかったけど・・・先に寝ます。
おやすみ( 。-_-。)ε・ ) チュッ


俺としたことがなさけない。

恵莉奈に悪いことをしてるわけじゃない。
友達と電話してた。それだけなんだから。

でも、どこか恵莉奈に「ごめん」って思ってる俺がいる。

友達。友達。友達。

ずっと言い聞かしてる俺がいた。