木川沙希 25歳

シンガーソングライター。
生活難のため、平日は派遣社員。
東京での1人暮らしは、思ってた以上にお金がかかる。
家賃、水道、ガス、光熱費、携帯代、ライブ費用、交通費・・・

音楽大学を卒業し、実家に戻ってピアノの先生。
そんな道をのぞんでいた両親に
「あと4年!!!東京に残らせて!!」
とわがまま言って、4年の執行猶予。
やりたかった・・・はずのシンガーソングライター。
卒業して2年半。
そう簡単にはうまくいかない。


あと1年半で何ができるんだろうか。
何がしたかったのかさえわかんない。
逃げたいけど、逃げる場所がない。
助けを求めたいけど、話せる人が浮かばない。
・・・・1人だってことに気付く。
苦しいけど、泣きたくない。
よくあること。
そんな時は、ベットに横になって、ノートを広げて、詩を書く。


◆◆◆

ただ誰かの声が聞きたいんだ
それだけで元気になれるのに
たわいもない話、いつもの会話
おやすみの一言で眠りにつけるのに


私の心なのに、うまく言葉に出来ない
伝わらないことに苛立ち、吐き捨てた言葉にまた傷つく


いつかはなくなる全てのモノに
情を抱き守ろうとする
行き場のない孤独を思い出に変えよう
たったそれだけのことなんだ。

◆◆◆