手を上げたままでいると、後ろから視線を感じる。
その視線に気付いて背を向けていたけど、堪えられなくなったあたしは。




「何?」




振り返ってあたしに視線を送る旭に聞いた。
するとあたしは目を見開いてまた背を向けた。




「ちょっ!何で裸なのよ!」



振り返った途端。
あたしの目に映ったのは、上半身裸の旭。
あたしは手で顔を覆いながら怒鳴った。
すると後ろから疲れたような旭の声がする。




「あぁ……悪い。ってか、何だよ。その反応」




何だよ。じゃねーよ!
突然そんな格好見たら誰だってこうなるわ!




「うっさい」




そう言ってあたしはYシャツを着始めた旭を睨んで窓の外を眺めた。
外はすっかり暗くなって、グラウンドは真っ暗。




あーあ。暗くなっちゃった。




そう思っていると、ガラッと扉が開く音。
その音に振り向くと、何も言わずに出て行こうとする旭。




「ちょっと!バイバイくらい言えないの?」




そう言うと、旭はあたしを見ながら冷たく言った。




「早く帰るぞ」