「絶対やだ。無理」




棚から顔を出すと、男に腕を掴まれているメグの姿が目に止まった。
明らかに嫌がってるその姿を見て、オレは気付いたら体が動いていた。




「おい」




「あ?」




気付いたらオレは、メグの腕を掴む男の手を掴んでいた。
するとオレに気付いたメグが目に涙を溜めながらオレを見上げた。




「真紘……」




オレの名前を震えた声で呼んだメグをチラッと見てオレは男に視線を向けた。
声をかけたオレを睨みつける男をオレは見下ろした。




「店内でのこういう行動は迷惑ですので……」




笑顔を作りそう言うと、男はオレをさらに睨みつけた。




「悪いけど邪魔しないで?部外者は黙ってろ」




部外者?
オレはその言葉にイラッときた。




オレは男の腕をねじり上げた。




「い、もごっ!」




店内にその声が響かないように、男の口元を抑えた。
そして男に笑顔のまま言った。




「部外者はお前。さっさと店から出てけよ。んでもって二度とくんな」