するとメグはオレの腕を掴んでいる手を放して顔を上げた。
そして顔を近づけてオレの頬に軽くキスすると、フッと笑った。
「しつこく告白して……しつこかったよね。ごめんね。自分の事しか考えてなくて。でももうしないから。ありがと、好き……だったよ」
そう言ってメグは立ち上がると、何も買わずにコンビニを出て行った。
オレは呆然としてその場にしゃがみ込んだまま動けなかった。
ごめんね?
……オレ謝られる事してないよ?
ありがとう?
……何が?
オレお礼言われる事してないよ?
何が……。
ごめんねなの?
何が……。
ありがとうなの?
オレはそっとメグの唇が触れた頬に触れた。
一瞬だけだったけど。
感触が残ってる。
温もりが残ってる。
胸がチクッとした。
好きだったよって震えた肩が。
好きだったよって掠れた声が。
好きだったよって溢れた涙が。
好きだったよって過去形の言葉が。
オレの胸をチクチク刺した。
こんな恋をまともに知らないオレと付き合ったって傷つくだけ。
すぐに別れて傷つくかもしれない。