リビングの扉を開くと、母さんと真姫がキッチンで夕飯を作っている。
リビングでは親父がテレビを観ている。
「おっ、おかえりー。真紘」
オレが帰ってきた事に気付いた親父はソファで微笑む。
オレはボーっと親父を見つめた。
親父って……母さんと付き合う前。
かなり女遊び激しかったらしい……。
優雅にぃ……言ってたし。
特定の女作んないで、彼女作らなかったらしい。
ジッと見つめてたからか、親父は笑顔のまま首を傾げた。
オレはハッとしてフイッと視線を逸らした。
「いや……何でもない」
そう言ってキッチンへ向かった。
オレ……完璧親父似だよなぁ。
女関係ゴタゴタ。
でも!
オレは本気で付き合おうとしてるし!
親父みたいに不特定多数の女と付き合ってる訳じゃないし!
似てねぇよ!!
ブツブツ言いながらいると、真姫と母さんがオレの存在に気付いた。
「あ、真紘ーおかえりー♪」
そう言って笑顔で手を軽く上げる母さん。
そして。
「おかえり!」
またまた笑顔で言う真姫。