そう言ってゆっくりと歩き出した。
それって……。
あたしの歩く早さに合わせてくれるって事だよね。
ゆっくりと歩いている旭の背中を見つめた。
夕日に輝く茶髪は金色に光っていて。
長めの髪からチラッと見える頬は少し赤かった。
照れている旭を見てあたしは笑みを溢すと、少し早歩きで旭を追いかけた。
そして横を歩いて微笑んだ。
「旭?」
「ん?」
あたしの呼ぶ声に耳を傾ける旭。
「今日の試合……おめでとう」
そう言うと旭は少し頬を赤くして視線を逸らした。
「お、おぅ」
照れ隠しなのか、旭は髪をクシャッとした。
あたしはまた微笑んだ。
「すごく……格好よかった」
すると旭は咳払いをした。