すると旭は小さな声であたしに問いかける。




「何で……真姫が泣いてるのが分かったか、分かるか?」




その問いかけにあたしは涙を堪えるので一杯一杯で、答えられない。
すると旭はさらに強く抱きしめて呟いた。




「それは……俺がお前をずっと見てたからだ」




そう言って旭はあたしの肩に手を置いて少し距離を置くと、真剣な目であたしの目を見つめてくる。
あたしは泣いて真っ赤な目を見られるのが恥ずかしくて逸らす。
でも旭はあたしの頬に手を添えてまた視線を合わせた。




「今まで……お前の事照れくさくてまともに見れなかった。でも……、もう逸らさない」




真っ直ぐな瞳があたしを捉える。
その瞳は吸い込まれそうなくらい綺麗で。
あたしは目が逸らせない。




「今まで馬鹿やってた真姫が急に女らしくなって。俺……置いていかれてったみたいですごく不安だった」




そう言って旭はもう一度あたしを抱きしめた。




「いつの間にか目で追ってて。いつの間にか、好きになってた」




好き……。
その言葉を聞いてあたしの涙腺は壊れた。
あたしは声を出して泣き出した。




「あたっし……っも、好きっ……。あさっひが、好き」




ギュッと旭の汗の染みこんだユニフォームにしがみ付く。