試合会場である運動場に向かうと、あたしは唖然とした。
目茶苦茶……女の子が多い。
コートの周りにはすごい人数の女の子が集まっていて、うちわとかたくさん持っている。
まるで、芸能人扱いだな。
口をあんぐりあけながら見ていると、胡桃はそれを見ながら言った。
「ほぼ全部……湯田先輩と旭君目当てだね」
そう言われてあたしも見てみると、胡桃の言うとおり。
湯田先輩と旭の文字が多い。
旭……やっぱりすごくモテるんだなぁ。
何て言ったらいいのか分からないけど、胸がムカムカした。
言葉では表せない複雑な気持ちだった。
やだな……何か。
これじゃ、あたしが他の子に嫉妬してるみたいだ。
そう思っていると、コートの中に選手達が入ってくる。
あたしはすぐに旭を見つけた。
普段じゃ見れないユニフォーム姿。
男らしく見えて、それに大人っぽくて、あたしはまたドキッとする。
すると周りを囲んでいる女の子達の歓声が起こる。
「すごい人気だね」
「うん」
女のこの数に、さすがの胡桃も唖然としている。