「え……」




すると旭はすぐに歩いて行ってしまった。




あたし……返事してないのに。




返事も聞かずに行ってしまった旭の後ろ姿を見て、あたしは胸の前でキュッと拳を作った。
すると胡桃はニーッと笑いながらあたしの顔を覗き込んできた。




「何!?」




あたしは慌てて胡桃から離れてキッと睨んだ。
すると胡桃は微笑みながら言った。




「旭君……強引だねぇ」




そう言われて、あたしは思わず顔を赤くした。




胡桃に……聞かれてた。
さっき……顔赤くなったのも見られてたかな。




あたしは恥ずかしくて視線を逸らした。
顔を赤くしているあたしの肩に手を乗せて茶化すように胡桃は笑う。




「ちゃんと応援してあげようねー」




そう言われてあたしは俯いた。




「……うん」