すると沈黙。




何で聞いてきたのに、何も言わないの?




あたしは沈黙の重さに堪えられなくなって自分から話を振る事にした。




「旭は試合出るの?」




すると旭は静かに頷いた。




「出るよ」




やっぱり……レギュラーだもんね。
旭は昔からサッカー大好きですごく練習してたもんね。
だもん。レギュラーも当たり前か。




するとあたしは無意識のうちに口を開いていた。




「頑張ってね」




そう言った途端。
旭はいきなりバッとあたしの方に振り返った。
でも暗くて表情は見えない。
すると上ずった声が聞こえてきた。




「お、おう」




その後あたし達は何も話さずに家まで歩いた。




沈黙は重かったけど。
何も言えなくて。
ただ理由の分からない胸の鼓動を抑えるのに必死で。
夜で……。
暗くてよかったって思った。