「別に……それで怒ってる訳じゃないし」




「え?」




違うの?




あたしはキョトンとした。
すると旭はあたしをキッと睨んだ。




「自覚なし。馬鹿」




そう冷たく言い放ってまたあたしから視線を逸らした。




馬鹿!?
酷い!!




「馬鹿って言うな」




そう言ってあたしは自転車を漕いでいる旭の背中を睨んだ。
すると旭は前を向いたまま口を開いた。




「来んだろ?」




「え?」




「試合……」




あ、試合か。




あたしは旭の質問をようやく理解して頷いた。




「うん」