あたしは早足で旭についていく。




何だか今日は旭、機嫌が悪いらしい。
無表情で無口なのはいつもの事だけど。
今日は一段とそれが酷い。




「ねぇ?」




声をかけてみるけど返事をしない。
相当機嫌が悪いらしい。




もしかして……。




「あたしが応援に行くのそんなに嫌なの?」




「は?」




あたしの質問に眉間に皺を寄せる旭。




だって……。
前からそうだったもんね。
昔から応援行ってあげるって言うと、いつも“来るな”って言ってたもんね。
だから怒ってるんだ。
でも正直……来るなって結構傷付くよね。




あたしはシュンとした。




「ごめんね?」




「何が?」




「でも……胡桃の付き添いなだけだし。迷惑かからないようにするから」




そう言って振り向いてあたしを見ている旭を見上げた。
すると旭はフイッと視線を逸らした。