「旭、部室で着替えてるのかな」
いつもならもう来てる時間だし。
昇降口で待ってようかな。
あたしはバックを肩にかけて教室の電気を消すと、足早に廊下を駆け出した。
うわぁ。
真っ暗で怖いなぁ。
こんなんだったら胡桃と一緒に出ればよかった!
後悔して涙目になりながらあたしは昇降口まで走った。
息を切らしながらようやく着いてあたしは昇降口前の外灯の下で旭を待つ。
それにしても暗くなるの早いなぁ。
「おい」
ビクゥ!!!?
突然後ろから声をかけられてあたしはびっくりして体を振るわせた。
そしてバッと振り返ると、無表情の旭が立っていた。
「何だ、旭かぁ……。びっくりさせないでよ。もう……」
あたしは涙目で旭を睨んだ。
すると旭はムスットしながら自転車に乗って漕ぎ出した。
……遅刻しそうだったんだ。
自転車を乗っている旭を見てあたしはそう思った。