俯いていると、シュンとしているあたしの頭を胡桃が優しく撫でた。
あたしは胡桃の顔を見つめると微笑んだ。
「ま、そんな悩まなくていいと思うよ?ね?」
「うん……」
ホント分かんない。
何であたしこんなに落ち込んでるんだろう。
何であたしこんなに胸が締め付けられるんだろう。
俯いていると、いきなり胡桃は大声で言った。
「よし!来週の大会は応援頑張ろう!ね!」
そう言ってはしゃいでいる胡桃にあたしは静かに頷いた。
そうだよね。
胡桃は湯田先輩の応援するんだもんね。
あたしも深く考えないでついていく事にしよ。
そう思う事にして、あたしはサッカー部の練習を見ている胡桃の隣で頬杖をついてグラウンドを見つめた。
その後何時間かして辺りはすっかり暗くなった。
そして部活が終わったのを見届けると、胡桃は自分の荷物を手に取った。
「あたしそろそろ帰るね」
「うん」
微笑みながら教室を出て行く胡桃に手を振る。
そして1人になった教室はシンと静まり返った。