「ったく。ホントトロイな」
そう言って呆れながらあたしの赤くなった鼻を優しく擦った。
ドッキン!
!!?
あたしは自分の胸の高鳴りに思わず旭から離れた。
するとキョトンとした旭は目を見開いた。
「あぁん?」
そんな不抜けた声を出したけど、しばらくして赤くなっているあたしの顔を見た旭も顔を赤らめた。
そしてあたしから視線を逸らして頭を掻く。
「いや……その。気をつけろよな」
「う、うん」
……。
重い沈黙。
でも心臓の音はうるさくて。
あたしは頭がグルグル。
何で……こんな心臓うるさいの?
こんなの初めて……。