「あー、おかしー」

おかしもクソもあるか!

笑い過ぎて出たであろう涙を指でぬぐいながら、虹はあたしを見た。

「まあ、何かあったことは俺にだって理解できる」

虹が言った。

「本当に、何にもないから…」

「けど、何かあったとしても理由は話さなくていい」

「えっ…?」

それって、どう言うこと?

「話したくないんだったら、俺は聞かない。

けどさ」

虹は、真剣な表情になる。

どうしたんだろう?

いきなりそんな表情を見せられたあたしは困ってしまう。