振り返ると、虹は両手に紙パックのジュースを抱えていた。

「オレンジティーとレモンティー、どっちがいい?」

そう聞いて、虹はあたしの隣に腰を下ろした。

虹はあたしの前に、オレンジティーとレモンティーの2つを差し出した。

オレンジティーとレモンティーか。

レモンティーはよく見かけるけど、オレンジティーは見かけない。

何しろ、期間限定で販売されている季節の紅茶だ。

あたしはオレンジティーを指差した。

それを選んだのには、2つ理由がある。

1つは、飲んだことがないから飲んでみたいと言う、あたしの好奇心。

もう1つは、気分転換で。

虹はあたしにオレンジティーを渡すと、残ったレモンティーにストローを入れた。