「瑞希」

「…何?」

「ちょっと、つきあってくれるか?」


虹につきあわされたところは、噴水のある大きな公園だった。

噴水の前のベンチに座らされたあたしは、虹を待っていた。

「ちょっと、待ってろ」

あたしをベンチに残し、虹はどこかへ行ってしまった。

一体、何なのよ…。

訳もわからず、残されたあたしは噴水に視線を向けた。

規則正しく、上から下へと流れる水。

その動きをジッと見つめていた時、
「お待たせ」

頬に冷たい感触と共に、虹の声が落ちてきた。