おかしなもんだと、あたしは思った。

虹相手に何を動揺してるんだか。

そりゃ、いきなり目があったらビックリするかも知れないけど。

「女の子に、か」

虹は呟くと、息を吐いた。

「確かに、苦労したことはない」

「…嫌み?」

あたしは聞き返した。

「嫌みって、俺はそのまま答えただけだ」

いや、聞いている人からして見れば嫌みに聞こえるから。

「けど、3分の2は金目当てだったけどな」

ポツリと、虹が呟いた。

「……お金?」

ああ、そう言えば虹は御曹司だったなと思った。