「そのうち、彼女は罪を犯してしまうかも知れない。

虹を殺してしまうかも知れない。

それが怖くて、僕は彼女との離婚を決意した。

瑞希は可南子さんがひきとり、虹は僕がひきとる。

そして、瑞希には父親は死んだことを言っておく。

これを条件に、僕たちは別れた」

全てを話し終えたと言うように、虹のお父さんは両手で顔をおおった。

そんな彼を見ながら、あたしは固まっていた。

知らなかった。

そんなことがあったなんて、知らなかった。

夢にも思って見なかったことだった。