「――ッ、くっ…」

情けなくて、もうどうすればいいのかわからなかった。

しゃがんで、背中でシャワーを受けた。

「――ひっ…くっ…」

自分が手でぬぐっているのはシャワーから出てくるお湯なのか。

はたまた、自分の目から出てくる涙なのか。

もうよくわからなかった。

ただ、ただ…次から次へと流れてくるものを、濡れた手で何度もぬぐった。

虹へのこの思いも、恋心も…全部躰から、シャワーと共に出て行っていますように。

心の中で何度も思いながら、あたしは何度もぬぐった。