angel

「大丈夫か？」

可奈子さんに手を差し伸べる。

「・・・・・。」

黙ったまま、可奈子さんは涙に溺れてた。

・・・・大丈夫なわけないもんな。
こんなに傷だらけにさせられて・・・・。

「毎日、こんなことされてんのか？」

「・・・・・。」

またしても、無言。
図星ってわけか。

「可奈子・・・さんにさっきみたいなことした女子の名前、全員言って」

「・・・可奈子でいいよ。」

初めて口を開いた。
よわよわしく言う・・・・こんなか弱い子が、なぜ？
なぜあんな目にあってんだよ？

「あの人達のこと怒らないで・・・。
　すべては私は悪いの。」

こんなに傷だらけになってまで、
自分のこと責めるわけ？
どんだけ、弱い・・・。

・・・いや、強いんだ。
この人は、強いんだ・・・。
だれよりも、精神が。

「何で・・・？」

「私が、みんなの好きだった人を見殺しにしたんだよ・・・。」

「は？」

「みんなの好きだった人って誰・・・？」

「満月君・・・・」