「ちなみにさぁ、なんでそれで可奈子が見殺しにしたっていう話になってる訳?」

「それは・・・・最後に出てきたのが私で、”白石君がまだいるの知ってた癖に見て見ぬふりした”って風に・・・・。」

はぁ・・・?
それだったら、最初に出てきた人たちにも同じこと言えるじゃねーか。

「でも、それはあんたのせいじゃないから・・・。」

「またあんなことされたら、俺を呼んで。助けに行くから。」

3秒くらいの沈黙のあと、可奈子は止まらない勢いで涙を流した。
やべ、俺が泣かした・・・?

「あり・・・がとう・・・白石君、・・・ありがとうっ!」

泣きながらも可奈子は最初に見た笑顔じゃなくて、
ほっとしたように微笑んだ。
まるで、天使のように。

ドキッ・・・・
って、なんだ?今の・・・。

「お・・・おぅ。」

俺が、この胸の高鳴りはどういうことを意味してるのかに気づくのには、
まだ先のことらしい。