゚・。。・゚・。。・゚Teru side*
それから何日か。
オレは毎日のように図書館に出向いては、かなえさんと一緒に勉強するのが日課になっていた。
一緒に話していると、かなえさんが大人だからなのか。
聞き上手だからなのか……。
妙に落ち着いて、居心地が良かった。
でも話してるうちに、かなえさんには彼氏がいた。
大学4年生の同じ学科の先輩だって、言ってた。
でもその表情はいつも寂しそうで。
何となくオレは察して、彼氏の話を避けるようになってた。
ただ……かなえさんの寂しい表情を見るのが嫌だったから。
ある日の事だった。
オレはいつものように図書館へと向かう。
でもその日……。
いつもの席で微笑みながら手を振ってくれるかなえさんの姿はなかった。
……大学も忙しいんだろう。
そう思った。
何故ならオレの兄貴も大学生。
多少の事ならオレも知ってる。
その日は深くは考えずに1人で勉強をした。
オレ……。
そういえば最近、芽衣の事忘れてたなぁ。
忘れてたって言葉は間違いかもしれないけど、それはホントだった。
芽衣への接し方とか、そういう事で悩むのも減った。
それは……かなえさんと会ったあの日から。
何かオレおかしいな。
まるで……かなえさんに恋してるみたいじゃん。
彼女には彼氏がいるんだ。
特別な感情なんてない。