ん?




その表情を見落とさなかったオレはキョトンとした。
するとかなえさんはハッとしたようにまたオレを見つめて笑った。




「そっか。頑張ってね?」




また明るい笑顔に戻って、そう言ってオレの肩を叩く。




「はい……」




オレは頷いて見せると、かなえさんはオレの前にある自分の参考書を見つめた。
その視線を辿ってオレも参考書を見ていると、かなえさんは口を開いた。




「ねぇ。シャーペン貸してくれる?」




そう言われてオレは自分のシャーペンをかなえさんに差し出した。
するとかなえさんはニッコリ微笑んだ。




「ありがと」




かなえさんはオレからシャーペンを受け取ると、参考書を自分の方に引き寄せて何かを書き出した。




……?




その姿をキョトンとしながら見つめる。




ペンを持つ指はスラリと長くて。
爪のネイルは綺麗で。
長い髪はすごくサラサラで。