「あ、ちょっと隣のクラス行ってくるね」
ユウは小走りで教室を出て行った。
暇になったあたしはケータイを開く。
「酒井さーん?」
肩を叩かれた。
「ぇ?あ、井口くん?」
「あははー話し掛けてみた♪」
「そっかぁっ。手紙ありがとね」
「いやいや。なんか最近元気なさげだったし?ま、俺の思い違いかもだけど!」
「いやあーホントは色々あったんだぁ。でももう大丈夫だよ★ほんとありがとね」
井口は照れたようにヘラっと笑った。
「あ、俺の事は洋平でいいかんな!!」
「んー了解!じゃああたしも美那でいーよ?」
ノリでこんな事になってるけど、今まで男友達に名前で呼ばれたことなんてない。
今までに男友達を名前で呼んだことだってない。
新鮮な反面、ちょっと戸惑ってる。
「あれぇ?井口じゃん??美那と仲良かったっけ?」
ユウが帰ってきた。
「今ナンパ中~」
「はあ??あたしの美那になにしてんの?!とかゆって!!」
ユウと洋平は仲がいいみたいだ。
まぁユウはいろんな人と仲が良いし。
男友達の一人なんだろう。