だっ……だけど!


「嫌だよー!あたしだって部活行きたいし」



ウルウル光線を真に受けながら、必死の抵抗。



「お願いします!!悠莉さまー!」


そんなに行きたくないのか、智佳子は手を頭の上まであげて深々と頭を下げた。


「どうか、このとおりー!」


「……はぁ。」



ため息をつくと、智佳子はさらにごり押ししてきた。


「お願いいたします!悠莉さまさま仏様ー!!」


訳のわからないことを連発しながら、智佳子は必死にあたしを見つめる。



「なんでそんなに行きたくないの?面倒くさいから?」


呆れた口調で問うと、



「面倒くさくはないの!……ただ、役員行くのがダルいの!」



……それ、言葉変わってるだけじゃん。


面倒くさいのね…


はいはい


「いいよ。あたし一人で役員会議行くわ」


諦め半分で、呟くとウルウル光線がさらに放たれた。


「ホントに!?ありがとう悠莉ー!!!」


「ただし!!」


「ただ…し?」


「あしたの昼おごってよね」

少しひねくれた笑顔を向けると、智佳子はあたしの手をにぎる。



は?



「うん!これから毎日おごるー!!まぢ悠莉大好きありがとう♪」



はっ!?


明日だけでいいんですけど………




智佳子さーん?



「そうとなれば!!体育の授業頑張るわよー!!」



やけに燃えてる智佳子。


そんなに役員会議が嫌だったんだ…



と、ここで解釈したのが間違いだった。