「風全然当たらなくない?」

智佳子が呟くから、クーラーの羽を少しホウキでいじってみた。



ガツっ



そして、変な音と共にクラスのクーラーはつぶれた。


「役員なんだがー…」



役員かあ……


まためんどくさそうな…



「役員は朝早く来て、準備、召集、片付け。基本だな」


担任はニヤつきながらあたしと智佳子を見た。



「なっ…まさか?」



智佳子は何かを察したのか少し同様してる。


「山田と吉原が役員しろよ?」



ニヤついた意味はここにあったのか…


「はあー!?」


「絶対嫌だ!」


少しキレぎみで担任を睨むけれどあっさり交わされてしまう。



「会議は今日の放課後!遅れんなよ?」



チャイムと共に担任はそれだけ残し去っていった。



反論する暇がなかった…



「ないわ。あの担任」

智佳子も若干怒りを露にしてる。


「最悪…これしか出てこないわあたし。」


ため息混じりで椅子に深く腰かける。



「放課後って体育の後だ…」

智佳子はろこつに顔をしかめ、あたしを見た。



「あたし、厄日だわ!!」


クーラーは壊すし、めんどくさそうな役員もさせられる。


「悠莉~……」



うっ…


智佳子が潤んだ瞳であたしを見つめる。



まさかまさか…


「お願い!!今日の放課後一人で役員会議行ってくれない!?」



やっぱり――――!!!


パチンとあたしの前で手をついて潤んだ瞳で見つめる。



コレ…弱い。