「クイナさん、お待たせしました!」

少年の声が上から聞こえてきた。

顔を上げると、月の光を浴びて、大きな黒い鎌の刃が見えた。

白い髪に、金を含めた赤い両眼の少年が、鎌を振り上げ、カウを縛り上げる闇のムチを切り裂いた。

カウは自由になり、すぐにクイナの側に戻る。

「カウっ! 大丈夫?」

しかしカウは何度も足を折り、ついには道に倒れてしまう。

その様子を見て、カルマは顔をしかめた。

「遅くなって申し訳ありません」

「あなたは…?」

カルマは等身大もある大きな黒い鎌を持ち、黒い布で全身を覆っていた。

「カルマと申します。マカの同属です」

「ああ…」

クイナは数日前、マカに会っていた。

あの時、マカの言った言葉の意味が分かった。