「察しが良くて助かるよ。いやね、この間山の中の村に行ったんだ。そこの湖、骨がいっぱい捨てられてたんだよね。そこの村じゃない人間の骨だから、埋葬されず、あの湖に捨てられててさ」

彼は楽しそうに語る。

「だから怪しい病院とか調べたら、ああいう湖、あるんじゃないかなと思ってさ。まさにここがビンゴだったんだ」

「…そう」

「じゃ、よろしく頼むよ♪」

わたしは目を閉じ、そのまま池の中へ身を投げた。

水の冷たさが、体を満たす。

そして眼を開け、わたしは水を自分の中へ取り込み始めた。

…こんなことができるのだから、わたしはもう人ではない。

いや…『わたし』はすでに、死んでいたんだったな。