その夜、消灯時間を迎えた後も、わたしはベッドの中で起きていた。

カーテンの隙間から見える月は、満月。

やがて見回りの看護婦が来て、去った後、わたしはこっそりベッドを出て、あの池へ向かった。

「はぁっ、はぁ…!」

緊張した。心臓が高鳴る。

こっそり抜け出して、周囲に見つからないように気を配った。

…そう言えば前にもこんなことがあった気がする。

あの時は追いかけられていた。

…何に?

とても恐ろしいモノ達に。

でもその正体は分からない…。

やがて池が見えてきた。

けれど先客がいた。