ここには一階にお風呂場があって、個室でおフロが入れる。

ちゃんと浴槽もあって、シャワーも付いている。

鏡も付いていて、シャンプー、リンス、ボディーソープもある。

…やっぱりホテルの風呂場に似ているな。

そう思いながら、わたしは体を洗い始めた。

この、無性体の体を。

わたしは白髪で、アゴの辺りまで髪が伸びていた。

そして黒い切れ長の眼に、真っ白な肌。

ところがこの体は、男性として、女性としての性別を表さない。

…だから捨てられたんだろうか?

この寒空の下に、あんな池の近くで。