すると、今まで爆睡して
いた少女が気だるそうに
机から顔を上げた。
「うるさいわ、耀……」
安眠妨害された彼女は、
そう言うなり耀を目一杯
睨み付けた。
波打つブロンドヘアーと
蒼色の大きな瞳が余計に
その迫力を助長させた。
『……外国の方?ですが
その割には、若干黄色み
がかっている肌のような
気がします。第一名前が
漢字ですからこちらの方
なのでしょうかね?』
突然の美人の登場に慌て
ふためいた弥嘉は、特に
意味もなく考えを巡らせ
ながら少女を観察した。
それを眠気眼ながらにも
察知した少女は、徐々に
口を開いた。
「私の顔に、何か付いて
いたりするかしら?」
「い、いえ、その、あの
何でもありませんっ!!」
いきなり話しかけられた
ことに吃驚した弥嘉は、
思わず全力で翠の言葉を
否定した。