その発言に受けて弥嘉が
戸惑っていると、ついに
紗奈恵が助け舟を出す。


「この子は私と出会った
時から敬語が染みついて
いるみたいだから、いい
加減勘弁してやってよ」

「……出会った時?」

「実は私達、小学生の頃
から同じ学校に通ってい
るのです。クラスは時々
離れたりしましたが」

「なぁるほど~だから2人
はそんなに仲が良いんだ
ねぇ☆納得、納得っ!!」


耀がそう言って笑うと、
2人は少し恥ずかしそうに
顔を見合わせていた。




     ***




「……ところでこちらの
爆睡してらっしゃる方は
どちら様でしょうか?」


弥嘉は、自分の前の席を
指しながら耀に訊ねた。


「あぁ~コイツは田邊 翠
って言って、いつも寝て
ばっかの奴なんだ☆……
ってオーイ翠!!そろそろ
起・き・な・さ・い!!」


そう言うなり耀は、翠を
揺さぶって懸命に起こそ
うとした。